南ア北部 中白根山(3055m)、間ノ岳(3190m:2014年3月改訂値)、北岳(3193m)、 2014年7月12〜13日  カウント:画像読み出し不能

所要時間

7/12 6:37 広河原バス停−−6:41 広河原山荘 6:49−−8:32 二俣−−8:47 休憩 8:57−−9:53 雪渓を離れる−−10:14 八本場のコル−−11:03 北岳山荘(休憩) 12:06−−12:35 中白根山−−13:24 間ノ岳 14:01−−14:31 中白根山−−14:51 北岳山荘(幕営)

7/13 3:35 北岳山荘−−4:37 北岳 4:55−−5:13 肩の小屋−−6:06 御池小屋 6:12−−7:10 広河原山荘 7:44−−7:50 広河原バス停

場所山梨県南アルプス市
山梨県南巨摩郡早川町
静岡県静岡市
年月日2014年7月12〜13日 1泊2日幕営
天候7/12:晴れ、7/13:曇り
山行種類一般登山
交通手段マイカー+バス
駐車場奈良田温泉に第1駐車場(20台程度)、そこから車で1分くらいの場所に第2駐車場(100台程度?)あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望北側が開ける
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ルート図。クリックで等倍表示


奈良田第1駐車場 バス待ちの長蛇の列
え! 奈良田線も運休だったのか。でも今日は無事運行した 広河原着。登山者少ない
北沢峠方面ゲート 快晴!
最初は吊橋。猿の糞あり 広河原山荘

登山者数カウンタ 御池小屋分岐
大樺沢沿いに登る 右岸に渡る
左岸に戻る 雪渓末端付近
ここから雪渓に乗る 二俣。八本場のコル目指す
雪渓には登山者の列 ここでアイゼン装着したが片側のバンドが無い!
ピッケル+片アイゼンで登る 最後はかなり急
雪渓の傾斜はこんな感じ。ここで雪渓離れる 尾根に乗る道
北岳バットレス 階段も多い
ハイマツ登場。森林限界突破 八本歯のコルから八本歯ノ頭を見る
北岳方向 北岳山荘
ようやく間ノ岳が姿を現す
振り返る 雪渓を登る人がまだまだいる
御池小屋。池は雪に埋もれる 岩稜帯に変わる
巻道分岐 巻道。もう雪無し
本日先頭の登山者。私は2番手に浮上 桟橋等が整備されている
キタダケソウ。ぱっと見はハクサンイチゲ キタダケソウの群落
北岳山頂方面分岐 下っていく
振り返る 猿3頭がいた
残雪はここだけ 北岳山荘
小屋前にはかなり雪が残っている 入口
時間が余っているので間ノ岳に向かう 中白根山
中白根山から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
中白根山から見た北岳 中白根山から見た北岳山頂
中白根山から見た甲斐駒ヶ岳 中白根山から見た鋸岳
間ノ岳に向かう
振り返る
あれが間ノ岳 もうすぐ間ノ岳
間ノ岳山頂 最高点に三角点がある
間ノ岳から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
間ノ岳から見た南ア南部(クリックで拡大)
ヘリで荷揚げ中。夕方まで幕営できなかった ディーゼル発電機のメンテナンス要員
テントはこんな感じでまだまだ少ない。ひな壇状のテント場は雪に覆われる
ヘリ強風を避けて南に離れた場所に幕営 夕方に富士山が姿を現す
早朝の間ノ岳 八本歯のコル分岐
崩壊地を登る 振り返る
あれが北岳山頂 北岳山頂
北岳から見た富士山。山頂に笠雲あり 北岳から見た間ノ岳
北岳から見た木曾御嶽 ボーコン沢ノ頭にテントあり
北岳から見た笊ヶ岳 イワヒバリ
北岳から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
北岳から見た塩見岳〜奥茶臼山
北岳から見た小黒山〜二児山
北岳から見た中央アルプス
北岳から見た乗鞍岳
<
北岳から見た槍穂
北岳から見た仙丈ヶ岳、甲斐駒
北岳から見た鳳凰三山
北岳から見た八ヶ岳
肩の小屋へ向かう 肩の小屋を見下ろす
中白根沢ノ頭方面分岐 肩の小屋
肩の小屋もヘリ荷揚げでテントは離れた場所へ 緩やかな尾根を下っていく
小太郎山は久しく登っていないなぁ
鳳凰三山の向こうに奥秩父
小太郎山分岐。大展望はここまで お花畑を下る
シナノキンバイ?のお花畑 左俣/御池小屋分岐
大樺沢。やっぱ急傾斜だ 根曲がりダケカンバ樹林
開けた斜面を御池小屋めがけて下る 御池小屋
いくつか沢を横断 第二ベンチ
第一ベンチ 大樺沢コースに合流
広河原山荘でテント虫干し。にわか雨あり これから入山する登山者
北岳は雲の中 広河原バス停着


 最近は毎週のように雨の中を濡れた笹藪漕ぎの山が続き、そろそろ鬱憤晴らしがしたい頃だ。そんな時、金曜日に台風が通過、関東では思ったよりも影響が出ず大雨も無し、各道路の影響もほとんど無かった。土曜日の天気予報は台風一過の晴れ。日曜日も持ちそうで久しぶりに週末2日とも天候が良さそう。ついでに久しぶりに土日両方とも会社を休めることが確定、テントを背負って森林限界を気持ちよく歩くことにした。場所はどこでもいいが今年初の3000m峰ということで北岳に決めた。

 ルートであるが、暑くなりそうなので大樺沢の雪渓がいいだろう。今の時期だと雪渓の状態は知らずどれほどの装備が必要なのかがわからない。12本爪アイゼンならピッケルまでは不要、ピッケルありなら軽アイゼン程度でいいかなと想像、悩んだがピッケル+6本爪アイゼンとした。これは下りも雪渓を下る可能性があることを考慮したこともある。たぶん下りはピッケル無しでは怖いだろう。

 問題はアプローチで芦安〜広河原の林道が崩れて通行止めで奈良田経由でしか入れない。奈良田は芦安より駐車場が狭いしバスの便も少ない。まだ本格的夏山シーズン前だが台風一過を狙って入山する人も多かろう。早めに行って第1駐車場を確保することにした。これは以前、平日に第二駐車場からバスに乗ったら第1駐車場の乗客で座席は満席、第二駐車場で乗った全員が立ったまま広河原へ向かった経験からだ。今度は週末なので対応が異なる可能性があるが安全策をとることにする。

 甲府南ICで中央道を降りるが深夜ではないので久しぶりに見る通常料金。それこそ何年ぶりか。早川沿いに上がっていき奈良田へ到着するとまだ第1駐車場はたっぷりと空きがあった。前日は台風通過の予報で入山者が少なかったからだろうか。あとは朝早くバスの待ち行列に並ぶだけ。酒を飲んで仮眠。

 翌朝、始発(AM5:30)の1時間前にバスの待ち行列に加わる。既に10人くらい並んでいるが座席確保が確定。ただし、今回は週末でしかも芦安が使用不可ということもあり前回とは様子が違った。第2駐車場発のバスが数台向かったのだった。第1駐車場発は2台ほど。ただ、やっぱり待ち行列全員が座れるわけではなく、少なからず立ったままの人も出た。記憶では芦安発では座れるまでバスを増発したと思うし、長野の旧長谷村(現伊那市)の北沢峠行きのバスなどは週末は時刻表より早くバスを出してくれるし全員座れるまで増発する。サービスは最高だ。

 満員のバスに揺られて広河原へ。芦安からの入山者がいないので人が少ない。たぶんこれだとトイレ行列はできないかな。バス到着直後のアルペンプラザのトイレは毎回凄い行列だからなぁ。広河原山荘前で朝飯を食って出発。夏山最盛期よりずいぶん人が少ない感じがする。

 今日は北岳山荘までの行程なので急がずのんびり歩く。まあ、毎度急いで歩いたりはしないのでいつもどおりだけど。そのペースだとたまに登山者に追い越されるが毎度のことなので気にしない。足の速い連中は軽装の日帰り組みだろう。

 登山道が大樺沢右岸に渡って適当な支流で水を補給、この上は雪渓で水が無いのは分かっている。しかしまだ気温が低くてここまで水を飲んでいない。左岸に渡り返して少し登れば雪渓末端。昨年より1,2週間ほど早い時期なので雪渓が長い。左岸側の登山道が雪に消えるところで雪渓に下りて雪渓歩き。冷えた空気が降りてきて気持ちいい! 見上げれば雪渓を登っている登山者が点々と続いているのが見える。雪はまだ氷化しておらず、潜ることはないしキックステップが効く程度で状態は良好だ。今日は快晴で日差しが強く日焼けしそうなので顔に日焼け止めを塗った。

 しばしノーアイゼンで歩き、傾斜がきつくなる前で水を飲んで軽く飯を食い軽アイゼンを着用しようとしたら、片方のアイゼンのバンドが無い! 6本爪アイゼンを最後に使ったのがいつなのか記憶に無いが、バンドを紛失した記憶も無い。バンドの代用品になりそうなものは今回は持ってきていない。どうしようかと悩んだが、ピッケルがあるので片アイゼンでもどうにかなるだろうと前進を決めた。

 さすがピッケルがあると安心感が違う。無くても登れるくらいだが精神的には楽だ。前方を登っている人でピッケルを使っている人は無し。皆ストックだ。足跡を見るとノーアイゼンや軽アイゼンが主流で、1人だけ12本爪の人がいた。そのトレースを利用させてもらってキックステップの労力を削減。雪渓登りは急いだつもりはないが、結構な人数を追い越した。みんな雪渓の急な登りでヘロヘロになるらしい。私は細かくジグザグを切って登っていく。

 雪渓が細くなって正面にはピンクリボンが下がった小尾根が登場。尾根の左側の雪渓に人が続く。この辺は登りではそれほど感じないが見下ろすと結構な傾斜で、軽アイゼンだと滑ったら止まらないだろう。ただし、途中には大きな障害物が無いので、滑落しても死ぬことはないと思う。でもここを安全に下るなら10本爪以上のアイゼンとピッケルがあった方がいい。

 先頭集団?は小尾根に取り付くところで休憩中だったが、こちらはまだ余力があるのでアイゼンを脱いでピッケルをザックに刺して登りつづける。かなり急な尾根だが梯子の連続で安全に登れるしもう雪は無い。ここで軽装の単独男性を追い越す。上部はハイマツが目立つようになる。

 久しぶりの八本場のコル到着。ようやく南側の展望が開け、間ノ岳がでかい。北岳山荘の赤い屋根も良く見える。登山道を右に曲がって岩の稜線歩き。やっとアルプスらしくなってきた。快晴の青空で麦藁帽子がぴったりだ。かなりペースが落ちた軽装の単独男性を追い越す。男性の話だとこの先にもう一人いて、その人が本当の先頭だそうだ。当然、北岳日帰りだろう。巻き道分岐から上を見ると200mくらい先を登る男性の姿あり。私は北岳山荘目指して巻き道に入る。

 巻き道は残雪皆無。高山植物のピークとまではいかないが花盛り。今回はキタダケソウが見られないか気にして歩いてみた。私は高山植物に疎いが、キタダケソウの写真は南アルプスネットのHPでトップページだったか目立つところに表示されているのでどんな花なのかイメージは持っていた。白い花だが単体の写真だと大きさが分からないのが難点。巻き道にはハクサンイチゲの白い花がたくさん咲いていた。これは良く見るので判別は簡単。そのハクサンイチゲと同程度の大きさの花だが背が低く花が平べったいのを発見。どうやらこれがキタダケソウらしい。ポツポツ咲いている株が多いが、1箇所だけ固まって咲いていた。ハクサンイチゲと比較するとかなり数が少ない。他の高山植物より咲くのが早いそうで終わるのも早いそうだ。あと2週間くらい持つのかな?

 花を愛でながら無人の巻き道をのんびり歩き下りにかかると左の大岩の上に猿を発見。動かないので最初は気づかなかったが3頭ほど。こんなところまで上がって高山植物を餌にしなくてもいいような。まさか猿は雷鳥は食わないだろうな・・・。雑食性なので危ないか。

 大きく下って北岳山荘に到着。まだ11時でテントは皆無。山小屋従業員も登山客がいない時間帯で、小屋のメンテナンス等の雑務中だった。幕営手続きをすると\800。あれ? 値段が上がっている。しかしこれにはからくりが。なんと水が無料なのだ! 私の場合、翌日の行動分を含めて2〜3リットル必要なので、それを差し引けば昔と変わらない料金と言えよう。ただし、無料の水は下からポンプアップしたものではなく天水を処理したもののようだ。味が微妙・・・・。酒を飲むにはあまりよろしくなかった。

 小屋番から、これからヘリで荷揚げをするのでテントはまだ張らないでくれとの指示で、いいテン場を確保するために現場にザックを転がしておくことに。時間はまだたっぷりあるので荷物を置いてアタックザックで間ノ岳を目指すことにした。北岳は明日朝に登る予定なので今日はパス。

 稜線は西寄りのやや冷たい風が吹き付けるがそれほど強くはない。しかし麦藁帽子にTシャツだと体の放熱にはちょうどいいのだが首筋や耳が冷える。私の場合、これらが冷えると偏頭痛の発作が来るのだが、油断していたら軽い偏頭痛がきてしまった。慌ててネックウォーマーを装着。体が温まっていてもNGなのだった。まだ本格的な発作まで至らなかったが、夜まで頭痛が続いて酒がまずかったこと!

 誰もいない3000mの稜線歩きは静かで贅沢な時間。でも来週の海の日の連休は天気さえ良ければかなり賑わうのは確実だろう。中白根山の広いピークで360度の展望を楽しむが、甲府盆地側は熱雲が上がって展望を遮っているし、北側も同じく雲が湧いて北アルプスは見えなかった。伊那盆地側が雲が少なく、風向きは西なのでたぶん今日は夕方までこの稜線にガスが上がってくることはなさそうだ。

 間ノ岳まではいったん緩く下って緩やかに登り返す。夏道は尾根上ではなく西側を巻く個所が多い。最後にまとまった登りがあり、広い間ノ岳山頂部に到着。昨年登ったばかりなので光景は覚えている。一番高い場所には「相ノ岳」の三角点。そういえば今年3月に国土地理院より山岳標高の改定が発表され、間ノ岳は1m高くなって奥穂高岳と同じ3190m、国内3位となった。まだ山頂標識の標高は変わっていなかったような(未確認)。ここまで来ると南ア南部も良く見える。赤石岳は小渋川から行ってみたいな。

 休憩中に2名の登山者が北岳方面からやってきた。1名はサンフランシスコからやってきた外国人男性でどうやら6泊の予定で南ア大縦走らしい。今日がその初日で熊ノ平まで歩くのだろう。凄い健脚だ。その男性の話し相手をしていたのが後からやってきた青年で、農鳥小屋で幕営して農鳥を往復して戻ってくるという。ということは長野側から入山したのか? これも凄い健脚だ。2人が去ってからさらに1名、この人も農鳥方面へ。地図ではなくスマホの画面をグリグリやっていたのは時代を反映した光景だろう。

 みんな間ノ岳からいなくなって最後に私が出発。北岳山荘へ戻る途中で3名ほどすれ違った。

 北岳山荘に到着するとまだテントは1張も設営されておらず、ヘリの荷揚げはまだらしかった。しばし待つと最初に冷凍食品が、続いて大きな木の板とバイオトイレ用の木材チップ、かなり時間が空いてから2回に分けて5名の人がヘリから降りてきた。うち3名はディーゼル発電機のメンテナンス要員だった。こんなところまでお仕事ご苦労様。さすがに歩いて登れとは言われないようだ。その後2回の資材運搬があって夕方5時を過ぎてやっとテント設営が可能になった。テント場はひな壇が一部雪に覆われていて狭かったが、テント数が少ないので問題なかった。でも海の日の連休は好天になったら凄いだろう。この残雪量ならまだ残っているはずで、石が多くデコボコの場所より雪を均して設営した方が快適かもしれない。

 軽い偏頭痛の影響で酒とおつまみが減らず、帰りの荷物が少し重くなっってしまった。頭痛のまま酒を飲んでも美味くはなく早々に寝てしまった。夜にテントの外を覗いたら曇り空で星は見えなかったが北岳のシルエットは見えていたので高曇りか。明るくなって一時的に月が出たようだが、ほぼ曇りで推移したらしい。

 翌朝、日の出の時刻を北岳山頂で迎えるため2時半起床、朝飯を食って3時半出発。ただし上空には星は見えず曇り。日の出は見えない可能性が高そうだ。幸い、昨日の偏頭痛は収まってくれた。

 稜線上はやや西風が強く寒さを感じるので長ズボンに長袖シャツ、毛糸の帽子、ネックウォーマー、軍手。体が温まってからは半袖シャツ+腕カバーに変身。気温は約5℃、この風速だと体感的には0℃を下回っているかな。山頂にはヘッドライトの明かり。間ノ岳への稜線にも2つほど見える。北岳山頂を越えて下ってくる人もいたが、肩の小屋から農鳥岳往復かもしれない。

 山頂が近づくと明るくなりライトは不要に。そして北岳山頂到着。人数は10人くらいか。日の出の時刻だが東の空は雲に覆われて太陽は輪郭すら見えなかった。富士山は姿を見せているが山頂は雲の高さぎりぎりで小さな笠雲がかかっている。天気は良くない方向でラジオの予報では梅雨前線が西から近づいてくるようだ。空気の透明度はイマイチで北アルプスが微かに見える程度で写真でないと槍穂の判別も困難だった。今回は待っても展望がこれ以上よくなることは無さそうなので、20分ほどの休憩で下山を開始した。これは8時のバスに間に合わせる意味もあった。

 肩の小屋から登ってくる人とすれ違いながら高度を下げて肩の小屋へ。ここもヘリの荷揚げがあるようで、荷物の積み下ろしがある小屋に近い場所にはテントは張らないでくれとの紙が張り出してあった。どこも海の日の連休を前に集中的に荷揚げを実施するようだ。小屋の東側に一段下がったテント場は大部分が残雪に埋もれていた。

 小太郎山分岐までは割と緩やかな稜線歩き。大パノラマが楽しめるのもこの稜線上までで、東に下り始めてお花畑を過ぎて二俣、御池小屋分岐以降は樹林帯に変わる。今日は曇りなので日差しがなく樹林のありがたみを感じないが、カンカン照りの時は木陰で助かるのだ。御池小屋から登ってきたと思われる登山者とすれ違う。急斜面だが登山道はジグザグを切っている。

 最後に雪渓脇を直線的に下ると御池小屋。ここまで来ればバスには余裕で間に合いそうだ。しばし深いシラビソ樹林を水平移動、途中の沢で濡れタオルを洗濯、これで汗を拭うと汗のベトベトが無くなって体感温度が下がる。最後は急な尾根を一気に下る。これは久しぶりのまとまった山行の足に効いた。最近は小さな藪山ばかりで下りの筋肉を酷使することはなかったからなぁ。それでも膝が笑うまではいかなかった。ただし翌は朝から筋肉痛になった。大樺沢を下っていれば(滑っていれば)これはなかったかも。でも片アイゼンであの傾斜を下るのはさすがにイヤだし、単純な往復ルートよりも今回のように周回する方が楽しい。

 大樺沢ルートに合流、その後は緩やかな下りで広河原山荘へ。バスの時刻まで50分くらいあるのでテントを虫干し。その最中に西の谷間に霞のようなものがかかり雨が降っているのがわかった。こちらに向かってくるとテントが濡れてしまうので急遽木の下に避難、その数分後に弱いにわか雨がやってきたが4,5分で終わった。山の上ではどうだろうか。

 乾いたテントを畳んで吊橋を渡ってバス停へ。振り返ると北岳山頂はガスの中。早く下山して正解だったようだ。この時刻のバスの乗客は私を含めて5人だけ。4人組は第2駐車場で降りて第1駐車場は私だけ。これから入山するバス待ち行列が10人くらいだった。

 

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